ローバーミニを運転するとゴーカートフィーリングと称されることがあります。
まるでゴーカートに乗っているような感覚という意味ですが、具体的にどのようなことを指すのか考えてみます。
目次
ローバーミニはゴーカート
ゴーカートというと遊園地などにある一人乗りのカートのこと。
地面スレスレの車高に小さなタイヤ、ハンドルを切るとクイックイッと曲がる独特のフィーリングは子どもも大人も楽しめるアトラクションとして人気があります。
ローバーミニを運転するとまるでこのゴーカートを運転しているような感覚に陥るというわけなんですね。
ゴーカートフィーリングの理由
ローバーミニの運転がゴーカートのようだと言われるのは主に1ハンドルと車軸、2ラバーコーン、3低い車高、4小さいタイヤの4つの理由が挙げられます。
【1】ハンドルと車軸
ローバーミニのハンドルはシャフト(車軸)に直結した構造のため、あそびが少なくハンドル操作がタイヤにダイレクトに伝わってキビキビとクイックイッとした動きになります。ゴーカートも同じようにハンドルとシャフトが直結なんですね。
要するにパワステがついていない古い構造のおかげでミニのダイレクトな操作感を楽しめるということです。
幸か不幸か、2000年まで製造されていたミニのどのタイプにもオリジナル装備でパワステは搭載されていませんので、ほぼもれなく独特な操作感に浸れることでしょう(パワステは後付けも可能です)。
【2】ラバーコーン
車内スペースを広く取るために採用されたミニ独特のパーツがラバーコーン。地面のデコボコを全て拾って衝撃がドライバーに伝わってくるのですが、それがゴーカートとそっくりなんですね。
サスペンションにゴムを採用しているのは世界で唯一ミニだけで、ミニがミニたる所以の大きな特徴です。
乗り心地を優先してスプリングに交換するとゴーカートフィーリングは大きく失われてしまいます。
【3】低い車高
一般の車と比べて車高が低いミニ。これもゴーカートのようなスピード感を感じさせる要因です。
車高が低い、つまり運転中の目線が低いと道路や周りの流れが速く感じられてスピードが増しているように感じます。
ゴーカートは地面スレスレを走りますのでそのスピード感はとんでもないのですが、ミニも似たような感覚があるわけなのですね。実際の速度の2〜3割増しに感じられます。
【4】小さいタイヤ
ローバーミニのタイヤは10インチ、12インチ、13インチのラインナップがありますが、普通車と比較して極端に小さなタイヤもゴーカートフィーリングを生みだす要因です。
タイヤが小さくなるとタイヤに働くジャイロ効果が低減します。
物が回転運動をすると姿勢が安定する現象のこと。コマをイメージするとわかりやすく、回転するコマは最初こそグラグラしても、次第に安定して回転しますよね。あれはジャイロ効果によるものです
ジャイロ効果が低くなると車は直進安定性が悪くなります。直進安定性が悪いと走行中の車は不安定になり、常にハンドルをしっかり握って車の挙動を制御する必要が出てくるのです。
ゴーカートを運転していてフラフラするのと同様に、ミニもフラフラしがち。ここに共通点があるのですね。
ゴーカートフィーリングも良し悪しがある
ローバーミニのゴーカートフィーリングは正直良し悪しがあると思います。
ガタガタ振動する車内で居心地は悪いし、ハンドル操作次第では右に左に振られることでしょう。運転している本人はキビキビした操作性が楽しくても同乗者はたまったものではないという声もよく聞きます。
ミニは本来イギリス人4人がらくらく乗れる快適性を持った大衆車として誕生しました。
しかし車内スペースを限界まで広くする手段の1つとしてラバーコーンを採用したため、乗り心地を犠牲にした車ともいえます。
現代の基準から見ればチープな車と見られても仕方なく、ゴーカートフィーリングはいわばあらゆる快適性を犠牲にしている結果とも捉えることができます。
運転する本人は楽しいかも知れませんが、家族や友人を乗せて日常使いでミニを運転するならば、周りの寛大な理解なしには維持できない車なのです。
それでも私はミニが好きですけどね!
運転したらハマる、それがミニ
一度ミニを運転したらいい意味でも悪い意味でも忘れられなくなってしまいます。
それだけゴーカートフィーリングは影響力のある要素なのです。
最後にネガティブなことも書きましたが、私個人としてはゴーカートフィーリングが大好きです!周りから何を言われてもミニは大好きです!