モーリス・ミニマイナーとオースチン・セブンの違い

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ミニの原点となった2台をご存じでしょうか。モーリス・ミニマイナーとオースチン・セブン。1959年、同じ車がふたつの名前で同時にデビューした、ちょっと不思議な歴史を持つモデルです。

同じ車なのになんで名前が違うの?という疑問、ミニが好きになるとかならずぶつかる壁なんですよね。バッジとグリルの形がちょっと違うだけで、残りの99%はまったく同じ車。それでも別名で販売された理由には、当時のイギリス自動車業界の事情が絡んでいます。

今回はこの2台の違いと、ミニ誕生の背景をわかりやすくご紹介します。

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なぜ同じ車が2つの名前で生まれたのか

1959年8月26日、BMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)から1台の革命的な小型車が発表されました。

大人4人が無理なく乗れて、走行性能を損なわず、経済的で、快適な乗り心地を両立する。

設計者アレック・イシゴニスが掲げたこの夢のようなコンセプトを、横置きエンジン+前輪駆動という当時としては革命的なレイアウトで実現したのがミニでした。誕生の背景については1959年のミニ誕生の物語でも詳しく語っていますので、ぜひあわせて読んでみてください。

さてなぜ2つの名前で発売されたのかというと、当時のBMCはモーリスとオースチンという2大ブランドを傘下に持ち、それぞれが独自の販売網を持っていました。同じ車をモーリス系のディーラーにはモーリス・ミニマイナーとして、オースチン系のディーラーにはオースチン・セブンとして供給することで、より広い市場をカバーしようという販売戦略だったのです。

BMCオースチンセブン850のパンフレット

当時のパンフレットを見ると、時代の空気感が伝わってきますよね。この小さな車が後に世界中で愛され、60年以上経った今でも街を走り続けるとは、誰も想像していなかったことでしょう。

2台の違いはたった2か所

モーリスとオースチン、実際に異なるのはたった2か所。エンブレム(バッジ)とグリルだけです。それ以外はエンジンも足回りも車体構造も、ほぼ完全に同一です。

違い① エンブレム(バッジ)

ボンネット正面に取り付けられたエンブレムの形が、2台でまったく異なります。まずはモーリス・ミニマイナーのバッジから見てみましょう。

モーリスミニマイナーのバッジ

丸い形の中心にMORRISの文字が刻まれ、左右に一本線が伸びるシンプルなデザイン。どことなく実用的で庶民的な雰囲気がありますね。

対してオースチン・セブンのエンブレムはこちらです。

オースチンセブンのバッジ

格調ある紋章の下にAustinの文字が入った、高級感あふれるデザインです。モーリスに比べてコンパクトにまとまりつつも、どこかゴージャスな印象。同じ車なのにエンブレム1つでこんなに雰囲気が変わるのが面白いですよね。ボンネットのエンブレムを見れば、モーリスかオースチンかすぐに判別できます。

違い② グリル

もう1か所の違いがグリルの形状です。グリルとはボンネット下部にある金網状のパーツのこと。ミニの顔ともいえる大切な部分です。

ミニのグリル

モーリス・ミニマイナーのグリルは横10本・縦7本の細かい格子状デザイン。グリル上縁のモールが左右のウインカー下まで伸びていて、ナマズヒゲとも呼ばれる個性的なスタイルです。50年代のアメリカ車テイストをさりげなく取り入れているのが特徴で、見ているとなんだかチャーミングですよね。

一方のオースチン・セブンのグリルがこちら。

オースチンセブンのグリル

9本の波打った横バーが並ぶ装飾的なデザインで、歴代ミニの中でもとくに凝ったスタイルをしています。ガラス製のウインカーもこの時代ならではの特徴です。改めて見比べると、かなり違いますよね。グリル1つでここまで印象が変わるというのも、ミニならではの面白さです。

共通点こそがミニの本質

エンブレムとグリル以外、2台に大きな違いはありません。エンジンは848ccの水冷直列4気筒。サスペンションはラバーコーン式で、横置きエンジンにギアボックスを一体化した独創的なレイアウトも、モーリスもオースチンもまったく同じです。

そして何より、あのゴーカートフィーリングと呼ばれる独特の操作感も共通。ハンドルを切ればスパッと反応し、コーナーをスイスイ抜けていくあの楽しさは、1959年生まれとは思えない走りの魅力として今なお輝いています。

その後の歴史:モーリス、オースチン、そしてローバーへ

1961年になると名称が整理され、モーリス・ミニマイナーはモーリスミニ、オースチン・セブンはオースチンミニにそれぞれ改名されます。ミニという名が定着し始めた時期ですね。

その後も少しずつ仕様変更・改良が加えられ、1969年には両モデルが統合。1980年代以降はローバーミニの名でひとつのモデルとして歩み続け、2000年の生産終了まで約41年間にわたって世界中の人々に愛されました。

「ミニクーパー」「モーリスミニ」「ローバーミニ」……ミニにはさまざまな呼び方がありますが、その歴史についてはミニの呼び方あれこれでも詳しく解説しています。ぜひあわせて読んでみてください。

まとめ

モーリス・ミニマイナーとオースチン・セブン、2台の違いをまとめるとこういうことです。

  • エンブレム:モーリスはシンプルな丸型、オースチンは紋章風の高級感あるデザイン
  • グリル:モーリスは細かい格子状、オースチンは波打ち横バーの装飾的スタイル
  • それ以外:エンジン、足回り、車体構造はすべて同一

もし街で古いミニを見かけたら、ボンネットのエンブレムをさりげなくチェックしてみてください。モーリスかオースチンか——そんな小さな発見が、ミニ好きにはなんだか嬉しかったりするものですよ。

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ゆーすけ(守屋祐輔)

ゆーすけ(守屋祐輔)

ミニ1000(89年式MTキャブ)が愛車の複業家。東京でサラリーマンをやりつつ、いつの日か愛車を東京に連れてくるのが夢。愛車の詳しい紹介はこちら。ブログムクッといこうとオリジナルサイン作成サービスのご署名ネットを運営中。ここをクリックしてブログ村ランキングの応援をお願いします。

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