ミニは人によって色々な呼び方があります。
どれが正解でどれが間違いというものでもありませんが、ここでは一般的に呼ばれるミニの名称について紹介します。
なお、旧ミニと新ミニの歴史の流れについて知りたい人は、こちらの本に目を通すのがおすすめです。
ミニの名称一覧
オースチンセブン・モーリスミニマイナー
1959年に一番最初に登場したミニのことです。
オースチンセブン・モーリスミニマイナーは、イギリスの自動車メーカーBMCが製造しました。
このミニの生みの親は、ギリシア系イギリス人の自動車技術者であるサー・アレック・イシゴニスです。
彼は、当時の一般的な自動車よりも小型・軽量で、かつ燃費が良いクルマを作りたいという発想から、このオースチンセブン・モーリスミニマイナーを開発しました。
当時、BMC傘下にはモーリスとオースチンの自動車ディーラー2社がありました。
それぞれのブランドから販売された車種を区別するために、モーリスミニとオースチンミニの2種類があったのです。
しかし、実際のところ、両車はほとんど同じ車であったため、現在では、オースチンセブン・モーリスミニマイナーと呼ばれることが一般的です。
このオースチンセブン・モーリスミニマイナーは、当時の自動車業界に革命を起こし、小型車の先駆けとなりました。
車体は非常にコンパクトで、荷室も狭かったものの、燃費の良さや運転のしやすさから、多くの人々に愛されました。
また、当時のイギリスでは、貧困層や女性ドライバーにとって手頃な価格の車としても知られていました。
1959年に製造された初期型は、そのプレミア価値からコレクターアイテムとして扱われており、希少価値が高く、中でも1959年製造の初期型は非常に貴重で、コレクターからは高額で取引されることがあります。
日本のトヨタ博物館には、貴重なオースチンセブン・モーリスミニマイナーが展示されており、ミニファンからは注目を集めています。
このオースチンセブン・モーリスミニマイナーは、小型車としての魅力だけでなく、そのデザイン性も高く評価されています。
特に初期型のクラシックな外観や、ボックス型のボディラインは、現代のクルマには見られない独自のフォルムであり、ファンからは大変人気があります。
ミニクーパー
ミニクーパーは、ミニブランドの中でも特にスポーティなイメージがあります。
クーパーの名称はミニブランドを代表する車種であると同時に、レース仕様の車両を指す言葉でもあります。実は、初代ミニクーパーの登場は、ミニが世界的な人気を獲得するきっかけとなった重要な出来事でもありました。
初代ミニクーパーは、1959年にモーリス・ミニマイナーのシャシーに、クーパーのチューニングによって1,000ccエンジンを搭載して登場しました。
その後、1961年には997ccエンジンを搭載したミニクーパー・スーパーが発表され、1963年にはクーパーSが追加されました。このモデルは1,275ccエンジンを搭載し、最高速度は時速160kmに達すると言われています。
また、ミニクーパーにはいくつかの特徴的なデザインがあります。
例えば、車体の上部にラリーランプを搭載するための特別なスペースが設けられており、クラシックなモデルではそれが象徴的なデザインとなっています。
また、初代モデルには「コンビニエント・オーバードライブ」という特殊なオプションがあり、高速走行時にエンジンの回転数を下げ、燃費向上につながる機能が搭載されていました。
ミニクーパーは、その洗練されたデザインとスポーティな走りによって、多くの人々から愛されています。
また、多くのカスタムパーツが存在し、個性的な車両を作り上げることができます。一方で、初代モデルは現在では非常に高価なコレクターズアイテムとなっており、数十万ドル以上の値がつけられることもあります。
今でも多くの人々から愛され続けているミニクーパーは、ミニブランドの中でも特に歴史的な意義を持つ車両であると言えます。そのデザインとパフォーマンスは、現代の自動車にも引けを取らない魅力を持っています。
ローバーミニ
ミニの歴史の中でも、ローバーミニは比較的新しい時期に登場した車種です。
1970年代にBMCがローバー社に売却されたことで、ミニはローバーブランドの下で生産されるようになりました。
管理人
このサイトでもローバーミニという呼称をつかってます
当時のローバーミニは、メカニカルな部分に多少の変更が加えられ、外観にも細かな変更が施されました。
その後もローバー社の下で生産が続けられ、1990年代にはさらなる改良が加えられたローバーミニMPI(Multi Point Injection)が登場しました。
ローバーミニとして販売された時代、さまざまなモデルが存在しました。
メイフェアは豪華な内装を特徴とし、スプライトは軽快な走りが魅力的でした。
クーパー1.3はミニクーパーSを彷彿とさせる高性能なミニで、ケンジントンは走りにフォーカスしたスポーティなモデルでした。
それぞれに特色があり、ファンからの支持も高かったと言われています。
クラシックミニ・旧ミニ
クラシックミニと旧ミニという呼称の違いは、ミニの年代やモデルによって呼び方が異なるという点にあります。
例えば、1959年から2000年代前半まで生産されていた初代モデルは、モーリスミニやオースチンミニ、ローバーミニなどの名称で呼ばれることがありますが、これらは全てクラシックミニに含まれるものです。
クラシックミニはより一般的な呼称で、英国車愛好家やミニのファンの間では、旧ミニという呼称が好まれる傾向があります。
このように、呼称の使い分けには文化的背景や個人の好みが反映されることもあります。
もう少し突っ込んだ話をすると、ミニの世界ではクラシックミニや旧ミニ以外にも、ビッグミニ、ファストミニ、スポーツパック、イタリアンジョブモデルなど、様々な呼称が存在します。
これらは、車種や装備の違い、カスタムの有無、レース参戦歴などによって分類されることがあります。
ミニはそのコンパクトなボディと可愛らしいデザインから、多くのファンに愛されるクルマの1つです。
MINI(BMW MINI)
ローバーがBMWに吸収合併されたのが1995年、旧ミニの製造ラインが停止したのは2000年、そして最終モデルの旧ミニが販売されたのが2001年のこと。
そこから製造が始まった新型ミニのことを NEW MINI、もしくは BMW MINI といいます。
呼び方は同じミニのため、人に説明する時に「ミニに乗ってます」というとクラシックミニなのか BMW MINI なのか混同してしまうことがあります。
悲しいかな、クラシックミニはすでに製造ラインがストップし BMW MINIがどんどん増えているため、ミニというと一般的には BMW MINI を指すことが多くなりました。
まとめ
1つの車種に対してこれだけ多くの呼び方があるのはミニだけです。
ミニが誕生してから60年近くが経とうとしています。世界中で愛され続けるミニだからこそこれだけ多くの愛称で呼ばれているんでしょうね。
ミニ好きならぜひとも正しい名称で呼んであげてください。